蜘蛛とバッタと蛾と
奥沢 2 丁目 村上 尚久

第25号 2006.10.30

 縁あって奥沢に越して参りまして2年になりました。早いもので引越し当時、まだハイハイだった娘も、間もなく3歳になり、家の内外問わず元気に走り回っています。この10年余り、自由ヶ丘1丁目を振り出しに、パリ、中根1丁目、新丸子等と引越しを繰り返した後に、ようやく腰を落ち着けることができました。

 今年の春先でしょうか、階段を降りていた娘が立ち止まって 「黒いのがいる!」 と一言。初めは、意味がわからなかったのですが、よく見ると小さな蜘蛛が足元に。今では5匹位の蜘蛛が家中に住み着いて、怖がっていた娘も「蜘蛛いじめるー」と遊び相手にしています。そういえば、娘は、散歩の度に蝶、テントウ虫、蝉、トンボと色んな生き物に次々と出くわして、最初は不思議そうに、そして次に見た時には 「蝶さんいたねー」等と嬉しそうに言葉を覚えています。

  一月ほど前には、玄関の郵便ポストに大、中、小と3匹のバッタが揃い踏み。生まれて初めての奇妙な生き物に娘は顔を引きつらせるばかり。その次には、満月の宵、家族三人で帰ってくると隣の空き地を飛び交う数十の不気味は影。よく見ると大きな蛾が虫を求めて乱舞。今度は何よりも蛾が嫌いな妻が恐怖に顔を引きつらせる番でした。

 田舎育ちの私も、30年来、奥沢の住人の妻も、奥沢の自然の豊かさには改めてただただ驚かされるばかりです。猫の額ほどの敷地の我が家は、ご近所の方々に自然のおすそ分けを頂いているようなものですが、この自然を守るため、申し訳程度とはいえ、せめて玄関脇の花壇位はきちんと手入れしなければと反省しきりです。自由ヶ丘という都内屈指の商業地に隣接していながら、ゆったりとした時間と豊かな自然が残されたこの地で生活できる幸せを家族みんなで 味わって行きたいと思います。