奥沢の街について思うこと
奥沢2丁目 奥野 健二

第7号 2002.2.15

 奥沢に住むようになって5年程経ちましたが、立派な樹木が多く落ち着いた雰囲気の街だというのが第一印象でした。郊外の住宅地より却って緑があるのではないでしょうか。例えば歩いている進行方向を写真にとった場合、画面上ではおそらく樹木の占める割合が最も大きいのではないかと思います。散歩をしていても古いしゃれたお宅、装飾等を発見し奥深さを感じることができます。

 日本の一戸建住宅の景観は、木々の間から建物が見えるというのが基本だと考えますが、昨今の経済的な事情その他で土地面積に対し延床面積を大きくする都合上、建物が道路へ寄り、高さも高くなり、建物壁面がどうしても前面に出て来てしまうというのが現状でしょう。建築の壁が前面に出てきた場合、ヨーロッパにおけるようにそれはそれで街を美しく見せる方法があると思うのですが、日本においては伝統的住宅観とのあいだで矛盾が生じ、どちらつかずになっているのだと考えられます。しかしながら現在の奥沢は、壊れつつはあるが日本の住宅の伝統を保っているのではないかと思います。とはいえこれも何もしなければ、いずれなくなってしまうものなのかもしれません。  私は以前、仕事の関係でドイツに住んでいたことがありましたが、そこでは街の環境を保つために、かなりの努力がされているということを感じました。例えばある直径以上の樹木はすべて登録されており伐採は禁じられています。やむを得ず伐採する場合は、所定の金額を支払う必要がありました。また、都市計画上、建築物の高さが決められている部分では、たとえその高さより低くても計画は許可されません。あまり厳しい規制は日本的ではなく、奥沢のような住宅地にはそぐわないと思いますが、ソフトで皆が協力できる規範は是非必要であると思っています。