みどりは心身の癒し
奥沢2丁目 寺澤 宏枝

第9号 2002.9.4

 奥沢に住んで早15年近くになる。以前下町に縁があった頃は住宅が密集していて、互いの会話が聞こえる中で人情の温かさを感受できた。奥沢は閑静で落ち着いた雰囲気があり又自然が豊かで、お互いに干渉しないで暮らしていけるのは緑がある恩恵ではないだろうか。今夏は特に酷暑が続き涼風と緑が恋しい。こんな時、飛び交う小鳥のさえずりや家々に咲く花、木立の奥から流れてくる心地良いピアノの音等が、心に涼風を送ってくれる。

 勤めを終えて緑が丘で下車し、家に向かう道を自分で黄金の道と名付け、真っ赤な夕日に欅の大樹が影絵のように浮き出している景色から「風と共に去りぬ」のタラの光景を連想し、大いに感動した。後に風雨を問わず早朝清掃をなさっている浮田さんを知り、感謝すると共に私達も協力して美しい環境作りに努めようと心がけている。

 植物好きの主人が藤の木を植えたところ、四方に枝が拡がり花と香りで楽しませてくれた。その後、6丁目のバラの館の保坂さんに挿木の指導を受けて赤い小さいバラが満開。

 藤棚が繁る頃、鳩が巣を作りひなが誕生した。「平和が来た」と大喜びで成長を楽しみにしていた。ところが或る夜、親鳥の異常な叫びで見ると猫がよじ登ってひなを食べてしまった。その後、主人が栃木のゴルフ場で生後間もない雄犬を拾ってきて大吉と名付け、家族の一員になったが他の犬を恐れる憶病者である。ところで犬の糞の放置は大変困ったことで飼主でない方が後始末をしている現状では、犬を飼う仲間として恥ずかしい限りである。せめて飼主のマナーを守ってほしい。

 自然を大切にすることは人への思いやりにつながる。奥沢の美しい緑と土を守って後世に伝えていき、自然が人々に優しさと心の癒しを与えてくれることと信じたい。