奥沢の御用聞き
 奥沢5丁目 小林 弘明

第60号 2015.8.3

 生まれも育ちも奥沢で生粋の奥沢っ子。現在52歳で酒屋を営んでおります。祖父が山梨から移住し、この土地で酒屋を開業し父が2代目、私で3代目になります。   現在奥澤共栄会に加盟しており、色々な職種の方たちと日々、町の発展について話し合い、活動をしております。

 しかし、ここ奥沢に至っても地方の商店街と同様シャッター通り商店街の危機感は否めません。

 そこで私達『奥澤共栄会』は世田谷区と共同で『活気ある商店街をもう一度』と声をあげ、4年前から試行錯誤を繰り返し、商店街のコンセプトを『奥沢の御用聞き』とし町の人とのふれあい、様々なイベント、町や店の紹介を通して安心、安全なまちづくりを目指しております。

  御用聞きといっても、様々な職種の方々がいらっしゃいますしライフスタイルも様々ですので、コミュニケーションの取り方は千差万別です。

  私の家では昔は『御用聞き』が中心で、一軒一軒、各家庭で必要なものを把握しお届けしながら回っておりました。私自身も母について『御用聞き』に行ったのを覚えております。

  母はお客様の家の呼び鈴を鳴らすことなく、勝手口から入り、注文を頂いておりました。私はお菓子等を頂き、子供ながら『御用聞き』は楽しいなぁと思うくらい、今から思うと、コミュニケーションが取れていたと思います。もちろん今の時代では、家の造りも違えば防犯の意識も高いので、昔ながらのやり方は難しいと思いますが、今の時代だからこそ、昔のような町全体でのコミュニケーションが必要だと感じております。

  防犯にしても、災害にしても、一人で立ち向かうには難しくても町全体で立ち向かえれば、住みやすい町、奥沢になるのではないでしょうか?

   少しずつでいいので、昔の『いいところ』、今の『いいところ』をミックスして、今一番住みたい町No.1ではなく『住んで一番良かった町』奥沢と言われる町にしたいと思います。